ビジネスモデルとは、誰にどんな価値を提供して対価を得るのかという、事業が成立する仕組みのことです。
ビジネスモデルとは?種類・例・作り方を5つのパターンで解説

事業をやる、サービスを作る、商品を売る。何を作るにしても、その根っこにあるものは何なのか。
ここを整理しておかないと、フレームワークやテクニックだけを追いかけることになります。
この記事では、ビジネスモデルの種類を5つのパターンに分けて例とともに整理し、そのうえで自分のビジネスモデルの作り方を、配合・組織・リサーチの順でまとめます。
ビジネスモデルの種類~大きく5つのパターンに分かれる
ビジネス、サービス、商品。何を作るにしても、ビジネスモデルの種類は大きく5つに分かれます。
一言で言えば、埋める・代行する・つなぐ・体験・権利です。
パターン1~格差を埋める
提供する側とお客さん側の格差を埋めることです。
情報の格差:こちらは知っていて、相手は知らない。
技術の格差:こちらはできて、相手はできない。
環境の格差:こちらは持っていて、相手は持っていない。設備や場所だけでなく、「近くで買える」「手に取れる状態になっている」という小売・流通の価値も、環境の格差に含まれます。
この格差があるからこそ、対価が発生します。格差がなければ、お客さんは自分でやります。
パターン2~代行する
代わりに背負うものは、時間だけではありません。
時間の代行:家事代行、引っ越し、事務手続きの代行。自分でもできるけれど、やってもらうことで自分の時間を作るものです。
リスク・責任の代行:保険はリスクを代わりに背負うビジネスです。税務申告の代行は、時間と同時に責任も引き受けています。
いずれも、格差を埋めるのとは性質が違います。相手にできないわけではありません。時間やリスクを代わりに背負ってもらう、という構造です。
パターン3~つなぐ
仲介・マッチングです。不動産仲介、人材紹介、結婚相談所。
これは片方向の格差ではありません。売りたい人と買いたい人、探している人と探されている人。両者をつなぐこと自体が価値になっています。
パターン4~体験を提供する
飲食、カフェ、映画、旅行。
ここまでの4つと決定的に違うのは、お客さんが困っていないことです。できないことを埋めるのでも、時間を節約するのでもありません。むしろお客さんは、そこに時間を使いに来ています。
他のパターンがマイナスをゼロにする解決型だとすれば、体験はゼロをプラスにするものです。
パターン5~権利による
弁護士のように、限られた資格を持つ人しかできない仕事。あるいは株主のように、権利を持っていることで成立するもの。
これは格差でも代行でもなく、権利そのものが価値になっているパターンです。
ビジネスモデルの作り方~配合を決める
実際のビジネスモデルは、この5つの単体か、複合体です。作り方としては、この5つをどう組み合わせるかを決めるところから始まります。
店舗や中小企業のスモールビジネスで多いのは、パターン1の格差を埋めることに、代行を組み合わせる形です。ここが王道になります。
そこに、体験価値をエッセンスとして入れる。
配合のイメージで言えば、こうなります。
・格差を埋める:5〜8
・代行:1〜4
・体験価値:1〜2
例えば「格差5・代行3・体験2」もあれば、「格差8・体験2」もあります。業種によって、配合も比率も変わります。
この組み合わせで、まずビジネスモデルを組みます。全部を均等にやるのではなく、何を主にして、何を添えるのかを決める。これがビジネスモデルの作り方の出発点です。
そして、この配合の率が、競合との差別化になります。代替されうる他業種との違いもここに出ます。つまり、配合そのものがUSPにつながります。
店舗ビジネスモデルの例~配合で分解する
ビジネスモデルの例として、この配合を店舗ビジネスに当てはめてみます。
技術の格差が5
自分が提供するサービスそのものです。ここが対価の中心になります。
代行が3〜4
自宅では、個人では、できないこと。それを代わりにやってあげる部分です。
体験価値が1〜2
店内での体験だけではありません。接客からCS(カスタマーサポート)まで、一連の流れの中にあるものです。
こうして、自分のビジネスを構成する要素を一個ずつ考えていく。これがビジネスモデルの設計です。
職域で分類して、組織のフォーメーションを作る
構成する要素が見えたら、次はそれを誰がやるのかを、3段階で分解します。
1段階目:自分たちでやるのか、外部に任せるのか
自分たちでやるものの中には、コアな技術そのもの、サービス・接客、法律面などの知識、マーケティングなど、いろいろな職域があります。
どこを自分たちでやって、どこを外部に出すのか。まずここで分けます。
2段階目:どこを自分がやって、どこをスタッフにやってもらうのか
自分たちでやると決めたものを、さらに中で分けます。自分が持つ職域と、スタッフに任せる職域です。
3段階目:人間がやるのか、自動化やAIがやるのか
さらに、その仕事は人間がやる必要があるのか。自動化やAIに任せられる部分はないのか。ここまで分けます。
こうして職域で分類して、構造を作っていきます。
ただし、日本の会社には良くも悪くも、欧米の会社のように職域ですっぱり分類しにくい構造があります。掛け持ちがあったり、行ったり来たりがあったり、スポットで発生する仕事があったり。きれいには分けられません。
それでも、大枠はある程度頭に入れて設計していく。
これが、店舗や企業の組織のフォーメーションを作るということです。
リサーチ~外側と内側、両方を棚卸ししてから両輪を回す
最後にリサーチです。
実際の順番としては、ここが最初に来ます。ただ、5つのパターンと配合を知らないままリサーチをしても、何を調べればいいのかが分かりません。そのため、この記事では説明の順序として最後に置いています。
リサーチには外側と内側があります。
外側のリサーチ~お客さん・地域
・今の時代、今の環境で、お客さんは何が分からないのか
・何ができないのか
・何を知らないのか
内側のリサーチ~自分の棚卸し
・自分は何を知っているのか
・何ができるのか
技術や知識を棚卸しして、提供できるものを洗い出します。
この2つが噛み合ったところで、ビジネスが成立します。
そして、リサーチは一度やって終わりではありません。ここから両輪を回し続けます。
1. 自分が提供できるもの(技術・経験・環境)を磨いていく
2. それを求めている人が、どこにいるのかを探す
外側と内側を棚卸しし、磨きながら、届ける相手を探し続ける。大枠で言えば、マーケティングとはそういうことです。
全体像を把握して進む
ただ、これをざっくり考えていると、途中で見えなくなったり、分からなくなったりします。
だからフレームワークがあり、運用する際のテクニックがあります。それらは全体像の下の階層にあるものです。
大事なのは、この全体像を把握したうえで、自分は何をやるのかを分かっていることです。
自分は何ができるのか。何を習得しないといけないのか。
それを理解して進んでいるのか、ふわっと分からないまま進んでいるのかでは、まったく違います。
この整理が、すごく大事だと考えています。



