AI活用公開 2026-09-10

AIができることは何か|業務での活用例と、「AIのみ」「AI+システム」の使い分け

AIができることは何か|業務での活用例と、「AIのみ」「AI+システム」の使い分け

AIができることは何か。業務で考えるなら、答えは「AIだけでできること」と「システムと組み合わせてできること」に分かれます。そして実際には、後者が大半です。

この記事は、こういう方に向けて書いています。

AIは触ったことがある。文章生成などには使っている。ただ、業務の効率化や自動化となると、何をどうすればいいのか分からない。

MCP連携という言葉は聞くけれど、それをどこで使えばいいのか分からない。既製のツールを試しても、できること・できないことがあって、うまくはまらない。

私自身がそうでした。

いまは自社でシステムを開発し、そこにAIを組み込んで運用しています。その経験から言うと、自社専用のシステムを作って、そこにAIを連携させる形が、いちばん業務にはまります。

この記事では、業務でAIができることの例から、システムとは何か、そして自社で開発チームを持つか外部のチームを使うかという選択肢まで整理します。

業務でAIができることの例

まず、AIができることを業務の場面で挙げてみます。大きく3つに分かれます。

1. 作業の代替

これまで人がやっていた作業を、AIに代わりにやってもらう使い方です。

・文章を作る、整える

・長い資料や議事録を要約する

・翻訳する

・資料や画像を作る

・分からないことを調べる、整理する

一つひとつの作業が速くなります。それ以上に大きいのは、外注していたことや、できる人がいなかったことを、自分でできるようになる点です。

2. 業務の効率化

単発の作業ではなく、業務の進め方そのものを変える使い方です。

・決まった形式で文章を量産する(投稿、説明文、メール)

・データを分類・仕分けする

・問い合わせに一次対応する

・チェック、レビューをさせる

やり方を固定することで、同じ品質のものが同じ手順で出るようになります。人によって出来が変わっていた作業が安定し、外注していた部分を内製に戻せる場合もあります。

3. 自動化

人が指示を出さなくても動く状態にする使い方です。ここから先は、後述する「AI+システム」の領域になります。

・データの取得から処理、書き込みまでを一連で動かす

・決まったタイミングで自動実行する

・複数の業務をつないで流す

・自社の業務に合わせた仕組みを作る

人が関わる工程そのものが減ります。効率化は「速くなる」ですが、自動化は「やらなくてよくなる」。ここが決定的に違います。

そして、業務の中でAIに任せられる仕事を見つけるために必要なのが、業務工程の棚卸しと再設計です。

いまの業務がどんな工程でできているのかを洗い出し、どこが人でなくてもいいのかを見ていく。そのうえで、工程そのものを組み直します。

順番が逆になると、うまくいきません。ツールを先に入れて「これで何ができるか」を考えるのではなく、工程を分解してから、どこを任せるかを決める。

これは組織のフォーメーションを考えることと同じです。どこを自分がやり、どこをスタッフに任せ、どこをAIや自動化に任せるのか。その分類の一部です。

AIのみか、AI+システムか~2つのパターン

自動化や効率化には、AIだけでできることと、システムを組んでAIと連携させることの2つがあります。

そして実際には、多くが後者になります。

AIだけでできること

ここで言うAIとは、ChatGPT、Claude、Geminiといったアプリのことです。

それぞれのアプリに加えて、プラグインやスキル、MCP連携といった機能を使えば、AIのアプリの中だけで完結する範囲は広がります。ファイルを読ませる、外部サービスとつなぐ、決まった手順を登録しておく。このあたりまでは、システムを作らなくても対応できます。

先ほど挙げた作業の代替や、業務の効率化の多くは、この範囲に入ります。AIだけでできることは、確かに増えています。

複数の工程になると、システムが要る

ただし、複数の工程になると、やはりシステムが必要になります。

分かりやすい例を挙げます。

ランディングページを1枚、AIに作らせる。HTMLでダウンロードして、サーバーにアップする。これはAIだけでもできます。

しかし、そのランディングページを100ページ作る。しかも定期的に更新する。こうなるとシステムが必要になります。

業務として回すとなると、前後が必要になるからです。

・データをどこから取ってくるのか

・処理した結果をどこに書き込むのか

・どのタイミングで動かすのか

・誰が確認するのか

この部分はAIではなくシステムの領域です。AIは工程の一部を担うのであって、業務全体をAIが動かすわけではありません。

AIツールを導入したのに業務が変わらない、というケースの多くは、ここが理由です。AIの性能ではなく、その前後がつながっていない。

そもそもシステムとは何か

ここで言うシステムとは、アプリケーション、つまりプログラムのことです。PC上で動くアプリも、Web上で動くアプリも含みます。

例えば、勤怠管理システム。出勤・退勤の打刻、集計、給与計算。この一連を管理するアプリです。

ここにAIを組み合わせるなら、勤務データの分析、異常の検知、シフト作成のサポートといった部分を任せる形になります。

打刻や集計といった決まった処理はシステムが担当し、判断や分析の部分をAIが担当する。これがAI+システムのイメージです。

なぜ自社専用システム+AI連携をすすめるのか

既製のツールやMCP連携でも、できることは増えています。

ただし、用意されたものを使う場合、業務のほう、人のオペレーションのほうを変える必要が出てきます。

ツールの想定する進め方に、自社の業務を寄せていく。これが、やってみるとかなり面倒です。現場が回っている業務ほど、変えるコストは大きくなります。

一方、自社専用のシステムを作ってAIを連携させる場合は、自社のオペレーションを活かしたまま業務に組み込めます。

いまのやり方を変えずに、いまのやり方に合わせて作る。これができるのが、自社専用の最大の利点です。

なお、システムの開発費用は、AIによって下がってきているのが事実です。以前なら現実的でなかった規模でも、検討できる状況になっています。

私自身、いまはこの形で運用しています。業務にはまるかどうかで言えば、これがいちばんだと考えています。

自社チームか、外部チームか

システムを組んでAIと連携させる。ここまで来ると、作る体制が必要になります。

方法は2つです。

自社に開発チームを置く

社内にAI開発チームを置いて、自社に最適化したシステムを作り、運用していく形です。作った後も、使いながら直していけます。

必要になるのは、設備と人材です。

設備はマシンとAI(LLM)のサブスク。これで月に10万円ほどかかるとして、そこに人件費が乗ります。

そして、ここで必要な人材は「AIを使える人」ではありません。設計できる人材です。

システム開発には、要件定義と設計が要ります。何を作るのか、どういう条件で動くのか、どこまでを対象にするのか。これを決めるのは人の仕事です。

自分でやる場合は、自分がAIを使う技術を学ぶことになります。

外部にチームを持つ

外注する場合も、形は分かれます。

スポット開発+保守:必要なシステムを都度作ってもらい、その後の保守を依頼する形です。

外部にAI開発チームを持つ:例えば月額制で、常に開発を進めながらバージョンアップと保守を行う形です。作って終わりではなく、開発チームが社外にある状態になります。

外注なら、その費用だけで済みます。自社では設備も人材も持たずに、開発チームを持っている状態を作れる。これも一つの選択肢です。

どちらが合うかは、事業の規模や、どれくらいの頻度で新しいものを作る必要があるかで変わります。

自社で持つ場合の参考~マシン+LLM+人材

自社で持つ場合に必要なのは、マシン、LLMなどのAI、そして人材です。

そして人材については、設計できることがポイントになります。ここは後述します。

参考までに、Re:Solの1セットの構成と、実際の進め方を挙げます。

マシンとLLMの構成

マシン

・32GB RAM/RTX 5060以上を1台

・モニター3〜4枚

LLM

・ChatGPT Pro × 1

・Claude Max × 1

これで1セット。同時に2〜3並列で動かします。このセットを増やしていくことで、AIチームを作る。現時点では、これが現実的な布陣だと考えています。

人材~設計できることがポイント

そしてもう一つが人材です。ここで必要なのは「AIを使える人」ではなく、設計できる人です。

ここで言う設計とは、業務そのものと、何を作るのかを設計し、それをAIに伝えることです。

どういう業務をどう回したいのか。そのために何を作るのか。どこまでを対象にして、どういう条件で動かすのか。これを決めて、言葉にしてAIに渡す。この部分が人の仕事になります。

AIにワンショットで作らせているのではない、ということも押さえておきたい点です。

Re:Solでは、以下の型で進めています。

・AI + 設計者 → 設計する

・AI → 設計をレビューする

・AI → コードを書いて実装する

・AI + 設計者 → 実装をレビューする

設計も、レビューも、実装も、AIを使います。ただし、設計と最終のレビューには必ず人が入ります。

これを並列で回します。

工程が分かれているのが分かると思います。設計を文書として残し、それをレビューし、実装した後にもう一度レビューする。

指示を出して出てきたものをそのまま使う、という進め方ではありません。

AIに投げれば動くものが出てくる時代ではありますが、業務で使うシステムはそれでは回りません。仕様が曖昧なまま作ると、後から直せないものができます。

工程を分けてレビューを挟むのは、人が開発する場合と同じです。担当がAIに変わっただけで、設計・実装・レビューという構造は変わりません。

Re:SolのAI活用・導入支援

Re:Solでは、業務工程の棚卸しと再設計から、自社専用システムの開発とAI連携まで対応しています。

外部のAI開発チームとして関わる形も、社内でチームを持つための支援も、どちらも可能です。

実績としては、いずれも自社用に開発したものになります。

・予約システム

・売上集計システム

・顧客管理コンソール

・サービス開発

自社の業務でも同じことをやっている、という状態です。

Author

Re:Sol代表 中村憲幸

中村 憲幸

Re:Sol代表。マーケティングと経営20年。ジムを立ち上げから6年間直営し、現在は店舗・事業のマーケティングとAI活用を設計から実行まで支援。

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